<第458号> 平成23.2.1  発行:刈谷医師会   責任者:会長 野村 英雄


平成23年02月01日発行表紙

表紙説明  八橋十景の一つ花の滝(知立)

 尾張藩の学者天野信景(1661〜1733)と云う人の著書に知立八橋に「八橋十景」なる名所図を古人が写し残している旨、知立の郷土史家野村泰三氏が「知立の文化財と史跡」の中に紹介されています。
 その十景とは逢妻川蜘手、業平池牡若、落田中一本松、在原寺石塔、橋雲寺下馬、駄野森神社、鷹師山遠望、折田口花滝、花園里春興、村雲山朝霞であると。
 今そこ全てを探し尋ねるのは不可能かと思われますが、先人達はある所にはその遺跡を碑分にて後世に伝えようとし、又ある所には例えば落田中一本松ではその位置に何代も木を植え継ぐ事で、それらの証明に努力されて来ています。
 この内の一つ折田口花滝について野村氏の説明をたよりに、八橋在住の患者さんからも教えを乞い、その位置を確かめるべく出掛けて来ました。
 その場所は知立と安城との市境と思われる畑中で地図上では安城の里町に位置しているようです。
 道路わきに木々にかこまれるように立派な伝承碑が建っていました。この碑の建立に尽力されたのは意外や安城の方々であったとの事です。
 現在あたりはやや高地ではありますが畑ばかりで川や池に縁無き場所と思われます。
 花の滝の名称から私はあたり一面花がみだれ咲き、それが滝の如く流れる如く見事であったと想像し水の滝でなく花の滝ではなかったかと考えてしまいました。
 野村氏は著書の中で慈円僧正(1155〜1225)の唱われた、“風わたる花をみかわの八橋の くもでにかかる滝のしらいと”を紹介されています。
 この歌からすると美際水が流れ落ちその水は逢妻川にそそいでいたのでしょう。
 碑のわきに近くから移されたという如意輪観音石像が立っておられました。
 はるか後方に伊勢湾岸道が垣間見られます。新しく変身した八橋十景の花の滝風景です。
(永田隆郎 記)


第458号  も く じ
巻頭言
 IT社会の明と暗〜広報委員会について〜 理事 岩井 彰
理事会メモ (第17回・第18回)
支部だより (刈谷・知立・高浜)
シリーズ 刈谷豊田総合病院
 リハビリテーション科 リハビリテーション科 部長 小口和代
会員サロン
 アニマルセラピー 石川 亨
休日診療だより (12月) 休日診療担当委員会
表紙説明
 八橋十景の一つ花の滝(知立) 永田隆郎
編集後記  兼子哲一
医師会行事予定表